JMETS練習船完全ガイド ~船内生活編~
ほったらかしてるうちに2019年1/4期が始まってしまったので5日から乗ってる勢には申し訳ないのですが、船内生活についても書いていこうと思います。
ちなみに写真は大成丸の後部甲板です。
まずは停泊中の日課。近年の練習船は予算不足からか錨泊している時間が比較的多いです。停泊日課の大まかな流れはこんな感じ。
630 総員起こし
といってもこれまでには起きていて準備してください。
635 整列&朝別科
この時期はやっぱり寒いです。そして甲板流しをさせられる人間は裸足で出てきます。これがつらい。
航訓体操なる体操(前で実習生が体操指導をします。覚えてください。)をしてから朝別科(掃除)。当直班がここで甲板流しをさせられます。ちなみに機関深度化の実習生や3級コースの機関科などは甲板流しはないです。やったね!
715 朝食
当直班はそのあと食堂掃除(+大成丸では皿洗い)。ちなみに機関科は朝食の前にミーティングがあります。
800 旗章掲揚
船尾に国旗を掲揚します。航海の停泊当直がここで交代します。朝の貴重な休憩時間にぶっ込まれるので面倒ですね。
825 整列
この整列では体操はしません。そのまま午前課業となります。
830 午前課業
講義があったり、実習があったりいろいろ。
班ごとに実習を行う「分団実習」なるものがあります。
1130 午前課業やめ&昼食
実際のところ、30分より前に終わることが多いです。士官の裁量次第。士官も仕事早く終わりたいしね。
昼食、妙にボリュームが多い気がします。
昼食後の休憩が地味に長く助かります。音速で食い終われば1時間くらい寝れる。
1255 整列&午後課業
ここの整列でも体操をします。体操に加えてストレッチがあったりスクワットがあったり。船によって違います。
1600 午後課業やめ
午後も3時間で終わり。案外短いんですよ。途中休憩時間もくれます。こう考えると楽ですね。
1630 夕食
!?と思った方、そう、超早いんです練習船の夕食。ただ個人の感想ではありますが意外とおなかは減らないです。
(日没5分前) 旗章降下
当直班が後部甲板で国旗を降ろします。
ちなみに1600から航海の停泊当直は錨泊中は船橋、停泊中は舷門で当直業務があります。2人ずつ2時間やります。気象観測を行ったり走錨監視を行ったりといった感じで、そんなに大変な仕事はないです。
1945 諸当番
要は掃除。つまり1日2回掃除があります。
2000 巡検
士官と実習生3人が船内を巡回します。掃除のチェックがメインです。汚いとやり直しさせられます。
2230 消灯
消灯までは自由時間。まあ消灯後起きていることも多いですが士官によってはうるさい人がいます。どちらにせよ静かにしよう。
一日の流れはざっとこんな感じ。
航海中は当直の15分前(機関は30分前)に入直、4時間当直して交代、あとは休憩時間という感じです。
休憩時間が結構多いのでそんなにしんどくないです。
上陸
やっぱり気になるのはここでしょう。貴重な休日です。
行動予定を見てもらえるとわかるのですが、平均8~10日おきくらいに停泊し、4日程度停泊します。ただずっと上陸できるわけではないです。
散歩上陸と総員上陸という形態があります。
・散歩上陸
1700~2155の間上陸できるものです。だいたい買い物行く用という感じですが、この間に飲み会してきたりする人もいます。船によっては停泊中ほぼ毎日これが入ることもあります。
・総員上陸
一日休みになる上陸です。830~2155の間ですが、基本前日に散歩上陸が入り、そのまま外泊できます。早朝に用がある人は外泊しましょう。
ちなみに18歳未満で乗船する組はホテルに外泊ができません。残念。
1船目ではあろうことか最初の1か月くらい制服で上陸になります。帽子もかぶれと言われます。まぁほぼ全員速攻で外してるんですがたまに士官とエンカウントするので注意。
神戸は頻繁に寄港します。私は全船で行きました。上下船がここになることもありますね。
・運動上陸
なんだそれは。文字どおり運動する上陸です。
基本は島の湾などで錨泊してカッターで上陸、そこから数キロ歩いてから数時間自由時間といった感じ。遠足みたいな感じです。寄港地でそのまま下船してフェリーなどを使う場合もあります。
座間味島に上陸したときのもの。
カッターはしんどいですが割と楽しいです。
鹿児島に停泊して桜島フェリーで桜島に上陸した時の写真。左奥に銀河丸が映っています。
・どんな場所に停泊するんや
港には岸壁がいくつかあります。さあどこに着くのか。
基本的にはアクセスのいい場所に着きます。イベントバース的な場所が多いですね。門司港や佐世保港、名古屋港などは頻繁に寄港しますがすぐ駅がある便利な場所です。
博多港イベントバースに着岸した大成丸。
門司港・名古屋港・佐世保港などは頻繁に寄っていることもあってパンフレットをくれたり施設の無料チケットがもらえたりします。
ここのチケットとかもらえましたね。日本一美しい蒸機C59の初号機を見に行きましょう。
士官
どんな人がいるのか。実習生に教える立場なんだからベテラン揃いなんだろうなぁ…と思いきや、むしろその辺の船より平均年齢は低いと思います。リタイヤしてから船の道を目指した実習生(私もです)なんかだと、年下の士官もいたりします。乗船中に新人が入ってくるとかもありますね。
セカンドくらいまでは20~30代の若い人ばっかりですね。なのでいろいろ相談とかしやすいですし、フレンドリーです。もちろん超絶めんどくさい人もいますが、基本的には良い人が多いです。
さすがに船長機関長クラスになるとベテランですが、良い人は多いです。
逆に若い人が多い分説明を間違えたりすることも。
というわけでそんなに身構える必要はないです。
部員
どちらかというとこちらのほうがベテランが多いですね。なのでとっつきにくい人はこっちのほうが多いかも。機関部のほうが優しい人が多い印象。もちろん甲板部にも優しい人はたくさんいます。
電波
現代の若者特有の悩み、海上の電波状況。
まず、航海中はつながらないものと思ってください。鉄製の船内には電波が入りづらいです。入らねぇクソ!と悪態をつきながらスカッツル(窓)にスマホを掲げるようになるでしょう。
じゃあ停泊中は入るのか?というと実は岸壁より下に居住区が来ることも多くなり意外と入らねェ!ってなることがあったりします。
あとは船によって入りやすさが違いますね。大成丸は妙に電波がよかった印象。
船内にWiFiを持ち込む人もいます。スカッツルに持ち込んだWiFiが掛かっています。
もちろん実習生が使えるWiFiは船内にはないです。諦めましょう。
外に出ると入りやすいので電波を求めてデッキに上がってる人も多いです。ただし落ちないように気を付けましょう。
錨泊中は船によりかなり違いますね。そして都会の湾内のほうが入りが悪かったです。東京湾は全然つながらないですね。
こんなアイテムがあると便利だゾ
乗船前に手引書が配られて持ち物も書いてあるのですが、それ以外にもあると便利なグッズがあります。
・マグネット
船内は鉄でできてるので、居室の壁にいろいろ磁石で貼り付けられます。
・電源プラグ
コンセントがひとつしかないので、複数の機器を充電したいときにはあるといいでしょう。逆にボンクが狭いので充電コードは必要ないでしょう。
・ハンガー
汽船だと船内に予め用意されているのですが、帆船にはないので用意しましょう。ただし金属のハンガーはぶつかると危険という理由で禁止なので、プラ製を用意しましょう。
ピンチハンガーもあると便利ですが、乾燥室はかなり狭いので小さめのにしたほうがいいです。
・オフラインゲーム
電波がろくに入らないぶん船内で暇になるので、予めいくつかダウンロードしておくと暇つぶしに使えます。
A4サイズが望ましい。汽船では備え付けてありますが、帆船にはなぜかないです。実習で課題をやったりするのに頻繁に使うので買っておきましょう。
・洗濯ネット
上述のとおり洗濯機が非常に少なく友人と一緒に洗濯する羽目になると思います。
・洗濯ばさみ
乾燥室はロープ式です。ハンガーが重力や揺れでズリ落ちます。なんで洗濯がまとまってしまい乾かねえ!ってことが往々にして起きます。なのでズリ落ち防止、スキマ作り用に用意するといいかも。ちなみに私はこれをやった結果使ってない洗濯ばさみと認識されたのかパクられました。そうそう、乾燥室は盗難がよく起こるので注意。
・スーツケース
練習船は狭いからスーツケースはダメ!って事前に言われるかもしれないんですが、実際は汽船ではokです。帆船は本当にくそ狭いのでスーツケースはダメと言われますね。どうしても荷物が多くなるので汽船では素直にスーツケース使いましょう。
これらのものは事前に用意するのもいいですが、大抵出港まで数日あり、出港前に散歩上陸が挟まれるので、この間に百均などで買っておくのがいいでしょう。東京港なら有楽町や錦糸町や豊洲、神戸港なら三宮、横浜ならワールドポーターズに百均があります。
ひとまずはこのくらいにしておきましょう。思い出したことがあったら付け加えていきます。
それでは実習生の皆さん、練習船生活がんばってください!